蜉蝣峠

一度観に行きたかった劇団、其の二!!劇団☆新感線

古田新太さんのいるところで、「役者が叫んでる劇団」という噂を聞いたり「中身よりもチラシがハデ」という噂を聞いたりしていました。こちらも前イメージとしては激しそう?踊ってそう?

先月突発的に思い立って行ってきました。急に行きたい!とか思い立ってしまう私には、数ヶ月前のチケット予約は難しく…^^;) 定価以下チケット交換掲示板おけぴにて急遽ゆずってもらいました。このサイトにはお世話になってマス、ほんとに。

劇場は赤坂ACTシアター。薄いスクリーンをはって、映像を含め魅せる舞台。
なんか、最近思うんですけど、、、始まった瞬間に面白いモノは面白そうな雰囲気醸し出してるし、びみょうなモノはすでに空気がびみょうですね。特に特徴ない台詞なのに、一言目を聞いた瞬間「あっだめかも」って思ったり。。。何がそう思わせるんでしょうか。


それで行くと今回、滑り出しは必ずしも良からず(汗)幕があがった瞬間に、ほんっっとうに何が理由かはわからないんですが、よぎる一抹の違和感。その後暫くは。。。スミマセン、下ねたとゆうかむしろ下品ねたというか、ソレが私の限界をこえてました(汗)それに加えて台詞が何言ってるのか分からない状態が続いてややあせりました(後ほど「石だ石だー、石をぶつけようー」と叫んでたことが判明)。しばらくどうしようと思ってたんですが、一幕の中盤くらいから徐々に入り込んで観られるようになりました。よかったよかった。だってこのチケットでバイト代吹っ飛んだもんね^^;) 今更ですが商業演劇のチケットって高い。。。


記憶を失ってバカのふりをしながら生きる「蜉蝣峠の闇太朗」。
看板女優との手切れに去勢され、あげくに女として女郎にされた隙間役者のお菓子ちゃん。
ろまん街で跡目争いを繰り広げるヤクザの立派(←人名)と天晴(←人名)。
そして過去にろまん街を襲った「大通り魔」事件の謎。


筋書きもアクションもはちゃめちゃで、その中にふっと哀れを感じさせる内容でした。
そして何気に底辺に流れるテーマは、「こんなふうに」「生まれてしまった」ことへの「哀しさ」じゃないでしょうか。


ヤクザに生まれたばっかりに、親分肌して悪ぶらなきゃいけなかった。ヤクザなんかに生まれなきゃよかった。
ヤクザの娘に生まれたばっかりに、男の振りしたまま死ななきゃいけなかった。ヤクザの娘なんかに生まれなきゃよかった。
ヤクザの娘に生まれたばっかりに、娘を男の振りさせ死なせなきゃいけなかった。ヤクザの娘なんかに生まれなきゃよかった。
人に生まれたばっかりに、人殺しの俺は「人でなし」。人間になんか、生まれなきゃよかった…



それぞれの生まれと、それが背負うものに規定され続けて生きた闇太郎や立派、天晴、サルキジ(←男のふりした立派の娘)

その一方で男に生まれつつ成り行きで去勢され、成り行きで遊女にされ、あげくに何処へ行くかもわからない、
「男か女かさえわかんねぇ」ものになってしまったお菓子ちゃん。


「もう(男には)戻れないの」「だってお菓子は走ってるサルキジが好きだから」

なんでお菓子ちゃんの生き方が狂ったんだろうと思ってたんですが、もしかしたら、もうどんな規定もされえないものになってしまったものは、流れていくしかないということなのかもしれません。


そんなことを考えました。
うーん、でも全体的には一回でちょっとおなかいっぱいかな。。。

ベルゼブブ兄弟

小劇場系の劇団、鹿殺しの公演であります。
1〜2年ほど前、吉祥寺で「鹿殺し」というのぼりのもと、路上パフォーマンスをやっていたのに行き会い、実はずっと気になってたトコロ。。ようやく日程が合ったので観に行ってきました!


もともとの印象は、
熱そう!
激しそう!
ちょっとグロいかも!?


でしたが、なかなかに印象を裏切らない展開^^;) 愛しつつ、憎みつつ、ぶつかりあう兄弟・親子の物語。あ、覚悟してたほどグロくはなくてたすかりました。やってることは強烈で、けっこう叫んでるとも思うのに観る方を息苦しくさせないあの力加減は何なんだろう…つかこうへいさん系統とは似て非なるエネルギーの出し方ですね。


前半は笑いを含むハチャメチャさの散発、後半はクライマックスへ流れるエネルギーの奔流、で最終段階へとメルトダウン。これでハッピーエンドか…?あれ、でも最初の展開からするとこれって…?と思った頃にもう一山くる、最後の狂った盛り上がりかたにはぞぉっとさせられました。


そして一応関西弁がマザータングな私にとっては、とある場面で発せられる「死なんといて」ががっつんってきました。「死なないで」とはちょっと違う響きがあるんですよね!親に、子供が、「死なんといて」って言う時、どんだけ切ない気持ちがこもるのか。どんだけどうしょうもない気持ちになるものか…切なかったです。


東京公演の後は大阪や福岡にも行くそうなので、成功を願うばかり。面白い劇団でした♪

泉鏡花の夜叉ケ池

ちょっと時間をさかのぼって、1月半ばのこと。「夜叉ケ池」が観てみたくて、ひとり観劇♪花組芝居、「泉鏡花の夜叉ケ池」です。名前にかすかに聞き覚えはあったけど、見るのは初めての花組芝居。もちろん作風も全く、情報ナシで行ってきました。

なんで夜叉ケ池が観たかったかというとライトノベル「"文学少女"と月花を孕く水妖(ウンディーネ)」の影響であります♪ ネタの絡み説明は省きますが、原作は夜叉ケ池に住む竜神の姫「白雪」と、竜神を鎮めるための約束の鐘をつき続ける晃・百合夫婦をめぐるお話。人が約束を忘れず、日に三度、明け六ツ・暮れ六ツ・丑三つの鐘を鳴らす間は、白雪も池に大人しく住まっている。白雪がそこを飛び出せば村は沈んでしまうから。…なんだか幻想的なお話じゃーありませんか♪と思って行ったんです。うん、行くまでは。

劇場に入ってみると、舞台をぐるり取り囲む客席の真ん中に釣り鐘が鎮座してました。文字どおり、舞台が円形になってるんですね。うん、この空間好きかも♪ちなみに座席は最前列@@;学生券で少し割引のお席だったから後ろの方、多少の見にくさを覚悟していたんですが、コレは嬉しかったです。

しかし!ここで、ちょこっとだけ一抹の不安が。


着いてから気づいたんです。チラシに「ネオかぶき」と書かれていることに。だってタイトルだけで来てしまったからね( ̄▽ ̄;

かぶき?歌舞伎?私、ついていかれるかしらん・・;
というか台詞まわしわかるんだろうか;


と、思いつつ舞台スタート。

よかった、現代のことばです。普通に話が進んでいきます。
しかし。途中でいきなりピエロ登場。ピエロ?かぶきにピエロ。はぃ・・;)? と思ううちに……


ずん♪ちゃん♪ずん♪ちゃん♪ずん♪ぱっぱー♪(←ラッパ)


と、何かが入場してきました。なんていうか、小っちゃい頃の悪夢ってこんな感じよね?4つくらい頭のあるハリボテ妖怪とか、かぶきメイクで全身キラキラ鱗の人とか、頭に花生やしたピエロのようなスピンアウトしたゴスロリのような格好した人とか、その他なんやかやが踊り狂いますの図。なんだろう…なんかスゴいもの観てる気がする…( ̄▽ ̄; 


コレ何かというと、はい、怒濤の白雪御一行さまです。白雪。………白雪ぃ!?
かぶきなメイクで、竜のツノの生えた「三頭身のおひぃさま」が、「あの人(←恋人)にあいに行きたいのよぅ〜〜〜」ってジタバタしてます。


…違う意味でカワイイ。

その後観客も巻き込んで舞台内で「夜叉ケ池観劇記念」撮影をやったり、客演さんがいきなり次の舞台の宣伝を始めたり。もうやりたいほーだいですね♪ちなみに全て終演後じゃなく話の最中にやってます@@;)このあたりでようやく、あっ、花組芝居ってこうゆうのなのね?と理解( ̄▽ ̄; 


ま、こっち方面に突き抜けたわけわからなさは大好きだ♪何かが外れてずっとケタケタ笑ってましたが。それでも百合と晃に「この家の二人は妬ましいが羨ましい。乳母や、大人しゅうしてあやかろうな」とぽつり呟く白雪にはしっかり泣けたのがスゴい。あのテンションから続けてよく泣けたと思いマス私^^;) ま、恋って偉大だねということで…締めたいと思います(汗)

週末メランコリー

観劇YEARになりそう?な、今年の舞台鑑賞の幕開け。
一作目は友達おススメの「週末メランコリー」でした。

初めてみる、劇団アーバンフォレストというところの公演。前情報なく行ったんですが、小劇場の劇団なのかな。有名人では、なすびが出てました。

商店街のお祭りの日、一人娘から「会いたい人がいる」と言われた喫茶店のマスター。でもその相手はマスターと同い年であることが判明し、しかも祭りに次々トラブルが発生し、、、というあらすじ。ドタバタ騒ぎで最後はふっとほろ苦悲しいコメディでした。
妙齢のおじさん3人組がイイ味で泣かせてくれます!そう、泣けるんです;;
…ちょこちょこコメディで泣かされてきた私、ここに至ってコメディの見方がかわりました^^;)

「笑わせてナンボ」がコメディだと思ってたけど。
実はコメディ、「泣かせてナンボ」なのでは!?と。

今まで観たことのあるコメディって、たいてい前半ドタバタして、ドタバタのクライマックスがきて、一転シリアスなシーンにほろっときて…というものだったんですが。前半のドタバタと後半の「ほろっ」って、同じものをめぐってるんですよね。前半ごまかしてごまかしてごまかして笑いにしてきたものと真剣に向き合った時、涙にかわるのが後半の「ほろっ」のシーン。

ホントウのことは、かなしいことなのかもしれない。
かなしいことなんて、みんな最初から知ってるのかもしれない。


「死ぬまでの暇つぶしって思って生きてる。どれだけ面白い暇つぶしができるかどうかっていうことだけ」

これは、ある人が私に話した言葉。

「あたし今、死神だまして生きてるんだ」

これは、NODA・MAPの公演「TABOO」に出て来た言葉。

世界がほんとはかなしいものなら、全力で。世界を騙して、笑ってみましょう。
そんな勝負を挑んでるのがコメディなのかな、って思いました。

楽園

先日受けた授業の中でのこぼれ話。展示関係の授業だったので、「A-Contemporary」という企画の話が出ました。AやUは否定を表す接頭辞。「contemporary」は「現代」とか「同時代」を意味する言葉。つまり「A-Contemporary」で「流行に流されないもの」「時代に流されず残っていくもの」を意味する企画名なんですね。

そこでもののついでにと話にのぼったのがユートピア。「U-topia」です。これは「場所」をあらわす「topos」にこの否定の接頭語「U」がついたものだそう。だから「ユートピア」とは「場所にあらず」つまり「どこにも無い場所」を意味するんだよという話でした。しかししかし、ここはあえて「ここじゃないどこか」と訳したい衝動にかられますね!……かられませんか?(汗)

そして思い出すのは、一昨年観に行った維新派公演「nostalgia」。
http://www.ishinha.com/index.php
93年に同じ題名「ノスタルジア」が上演されてますが、それとは別の話ですね。維新派の持ち味は「喋らない台詞、歌わない音楽、踊らない踊り」でつくられる「ヂャンヂャンオペラ」。独特のリズムはまさに「ヂャンヂャン」という感じなんですが、そこでうたわれる歌詞に、こんなような部分がありました。あ、かなり前な上に一回みただけなのでうろ覚えなんです^^;)


「それは  それは


 大きいものですか? 小さいものですか?


 北半球から見えますか?


 それは  それは


 物質ですか?  概念ですか?


 ぱらいそですか?   楽園ですか?


 むかし  ありました  つねに  ありました」




このひとたち何を探してるんだろう?
ああ楽園だったのか…
と、その意味が判明するシーンは結構感涙ものでした。


ノスタルジア
視たこともない場所なのにノスタルジア
どこにも無い場所なのにノスタルジアとはこれいかに。


きっと昔はあったように思えて、でもその当時そこになかったのは明らかで。思い返す時にだけ存在するもの。「ここじゃないんだ」という気持ちのなかにだけ、その否定の気持ちのなかにだけ存在するもの。

ユートピア」それはあこがれなのに、定義づけるべきことばの中に否定を含んでいるのが面白かったのですよ。否定の中にあこがれが存在してる、なんかせつない響きですね。

今年の抱負など

新年明けまして、というよりもはや寒中見舞いの時期ですが。昨日まだ新年のあいさつを出してました、そんな年明けです( ̄▽ ̄;


去年はなんだか盛りだくさんな年で……今年も盛りだくさんにしたいもくろみや予感があって。新年早々、思うこともたくさんあって。頑張れるように、らしからず抱負なんか書いてみます。とりあえずやることリスト目先のベスト3はこんなところ。。。


+インフラ整備
急務!急務ですよ。はやくも滞りまくる家のネットを何とかしたり、大量プリントアウトできる環境整えたり……もっとパソコンと上手くつきあえるようになんないと。
+整理→アウトプット
無駄に頭の中にカオスをつくらないで、考えたり書いたり動いたりする時間をもっとつくる。更新ももっとするとか(汗)
+外面(ソトヅラ)をつくる
ただ一生懸命に一直線になってればいいってもんじゃないんだなぁとひしひし思う今日この頃…なんか去年は誤解されることも多かったし;;内面を「つくる」だけじゃなく、きっちり届けられる外面をつくることにリソースを使ってみる。


3つめ難しいです今ホントに。裏(ウラ)をつくることにひじょうに抵抗を感じてきた人間だから@@; 1つめも難しいです機械さわれば壊す人間だから(。。;)今日だけで何度プリンタに紙詰まらせたか………


ま、ゆっくり頑張りましょう♪

ラ・カージュ・オ・フォール

先週は銀座の日生劇場にて、ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール〜籠の中の道化たち〜」http://www.tohostage.com/lacage/index.htmlを観劇してきました!


鹿賀丈史市村正親主演。20数年来の同棲カップル、ゲイクラブ「ラ・カージュ」のオーナー・ジョルジュと看板スターのザザことアルバン。ジョルジュの息子のジャン・ミッシェルがゲイクラブ反対!の議員の娘と結婚したいと言い出して起こるドタバタ悲喜劇…って感じの話です。


イクラブダンサー陣のダンスが素敵!2回目のショーのカンカン娘と、男の仕草を学ぶアルバンのシーンのダンスが特にお気に入り♪ちょっとディズニー映画を思わせるものがありました。映画「メアリー・ポピンズ」の屋根の上で暴走する煙突掃除夫ダンスみたいな。集団のエネルギッシュなパフォーマンス見るの好きだわ〜。でも、楽しそう、やりたいこと貫いてるんだよね、…と思いつつもホロリとしてしまうのは、「自分が自分であること」の喜びとかなしみと精一杯のものを感じさせてくれるからでしょうか?風当たりが強くても、そのために身近な人を困らせることがあっても止められない「自分であること」、厄介なもんです。


あとショックだったところは…ジョルジュのボーイ(自称・メイド)のジャコブだっけ…彼がどうしてクラブのショーに出させてもらえないのかわからなかったんですが、終盤にて判明。黒人、だったからなんですね…あんまりにも当たり前に弾かれていたから気づいた時の衝撃が大きくて。こういう日常生活に染みこんだ「人種差別」という感覚の重み、日本で見ているとなかなか感じづらいのではないかと最近ひしひし思うことしきり。


もろもろ含め、お金と時間に余裕があったらもう一回みたいな〜と思う舞台でした。でも1万2千円ちょい…無理ですわ@@;