タイムフライズ

飛龍伝と時を前後して観にいったのがこれ、ミュージカル座公演「タイムフライズ」。これまたけっこう前のことになりますが…気をとりなおして。。;


内容はというと、学生闘争です。これまた学生闘争です。シュプレヒコールです。昨年観にいった虚構の劇団「僕たちの好きだった革命」(書きそびれたけど、かなり好き!)を含め、気がつけばかなり学生闘争ものを観ている気がします。とはいってもこちらはかなりコメディ色強く、主張めいたものはありませんでした。


就職氷河期と内定取り消しの憂き目にあった大学生二人組が学生闘争さなかの大学にタイムスリップするというお話。そして何かに一生懸命になるという体験をして帰ってきて…一人は学生時代の両親に会い、父親の熱い思いを聞いて家業の土木会社をつぐことに。もう一人は紛争地域にボランティアとして旅立つ…という、ちょっとした自分探しのタイムスリップ、みたいなお話でした。


こちらはどっちかというと、学生闘争を知らない世代からみた「学生闘争ってこんな感じだよね」というイメージ、そして「学生闘争を今の感覚に応用するとしたらこんな感じじゃないかしら」という視点によって描かれている気がしました。学生は純粋にがんばってる感じで、欺瞞とかも出てこなくて。でも上っ面に軽い感じはせず、楽しいミュージカルとして観ていられたのでいいんですけどね。普通に楽しく笑っていられるミュージカル、というのがミュージカル座の味なんだろうと思うので(といっても2回しか観てないけど…;)。


でも、息子に向かって「父ちゃんが60年安保で使ったヘルメットかぶってけ!」っていう父ちゃんが出て来たり、催涙弾の水平射撃で死ぬ人がいるのは「僕たちの〜」と同じで、学生闘争を今の視点から描こうとすると大体そういうパターンになるのかなと思いました。蛇足ながら一時期小劇場でぽこぽこやってた裁判員モノでは、大体お水の女の人と主婦と説明キャラが出て来たような…パターンですね、パターン。